読売新聞12月11日の記事で70歳男性の活動が紹介されました。現在喫煙による慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)のため、17年前から鼻に装着したチューブで酸素吸入しながら生活している彼は、自分のような患者を減らすべく体験談を通じて喫煙の怖さを訴える講演をしています。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=18188 (2009年12月11日 読売新聞)
喫煙の問題の一つは身体への悪影響が極めてゆっくりと進んでゆくことです。せき、たん等の呼吸器症状は若干出ますが気にされない方のほうが多いでしょう。30年、40年の長いスパンで初めて正体を現しますから危機感を抱きにくいと言えます。 この男性の場合、18歳の時に10本入りで1箱40円のたばこを吸い始め、45年間の喫煙で費やした金を大まかに計算してみると400万円を超えたことに気づき、タイトルがー400万円で買った病気の体ーとなったわけです。
たばこ税について、鳩山由紀夫首相が政府税制調査会への諮問で「健康目的課税」への転換を指示、1箱300円(20本入り)の主力製品の価格は400円に値上げされることになりそうです。たばこ増税への風あたりが強い中、結構頑張った数字と思いました。ただ、禁煙外来を通じて禁煙の難しさを知る私としては、この値上げでは増税効果はあるにせよ、喫煙率の減少には結びつかないと予測しています。
実際に喫煙には以下の余分な出費が伴います。
・喫煙者では生命保険料が増額されることが増えてくる
・COPDの治療の酸素療法は月額8万円弱の医療費が掛かる(自己負担はその3割まで)
これ以外にも喫煙による疾患による治療費が掛かります。循環器・呼吸器の疾患の誘因となり、メタボリック・シンドローム発症を促進し、小児ぜんそくやアトピー性皮膚炎を悪化させ、発がんの原因となります。歯周病、歯槽膿漏の発症が増えて治りにくくなります。結果的に、治療によって医療費がかさんでくることになります。
この男性のように一旦酸素療法を始めれば一生続けなくてはならなくなります。携帯用のボンベは2時間程しかもちませんから行動は制限されます。
11月に藤田まことさんがCOPDの悪化により番組を降板されました。9月には桂歌丸さんが肺気腫(COPD)からの気管支炎により入院されました。お二人ともにヘビースモーカーでした。
禁煙をされるなら早いほどいいのは明らかです。タバコによる病気の多くはは後戻りできない不可逆的なものなのです。
この際、値上げを機に禁煙して、浮いたお金を貯金してみてはどうでしょう。
健康という大きな利息も付いてきますよね。