Loading

携帯URL

フォトアルバム
Blog powered by TypePad

« 2009年11月 | メイン | 2010年1月 »

2009年12月

2009年12月25日 (金)

ドック医の楽しみ

わかすぎファミリークリニックには年間に千名を超える方に人間ドックを受けに来ていただいております。

20歳代から70歳代まで、性別も職業も様々です。関東地方が中心ですが海外在住の方も少なくありません。

本来私は旅行好きでしたが、現在祝日以外は毎日診療していますので遠出はできなくなりました。そんな中、ドック受診者の方のお話を聞かせていただくのが楽しみです。

生活習慣は職業によってある程度のパターンがありますので、時間の取れる腹部の超音波をするときに職業を含め色々なことをお聞きします。

体調、自覚症状はもちろん、起床時間、通勤時間、食事の回数、仕事の忙しさ、ストレスの程度、食事に掛ける時間、体重の変化、運動量・頻度、食事量、就寝時間、睡眠時間、気にかけていること、飲酒量・頻度、喫煙本数・・・等々。これらの問診には健康につながる要素がたくさん含まれています。予断を持つことはしませんが、当日の検査や指導をするにあたってとても有用な情報となります。

あくまで内容の濃いドックを受けていただくための手段としてお伺いするのですが、同時にお仕事の苦労話やご趣味などの話も出て大変興味深く聞かせていただくことが多々あります。毎日クリニックにこもっている身としてはとてもありがたいことだと思っております。

2009年12月24日 (木)

検診結果放置症候群?

当院では当日に主要な検査結果が出せますので、結果に異常があれば必要なご指導はドック直後に少しくどい位にさせていただいております。

しかし、人間ドックや、健康診断を受けたことで安心してしまって、診断結果に目を通さなかったり指示に従っていただけない方が多くいらっしゃるようです。せっかく時間とお金を掛けたのですからとてももったいないことですよね。

以下はよくある例です。

・体重を減らす指示を出させていただいても変化がなかったりかえって増えてしまう

・血圧が高い場合で、すぐに治療薬を飲むのではなく自宅で測定していただいてから確認の上検討しましょう、とご指示させていただいても測定されない

・生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)をすでに発症していて、治療開始のご指示を出しても受診されない

反対に、腫瘍マーカーが高値だったり胃カメラ、CTでがん疑いがある場合はすぐに受診していただけます。

生活習慣病やメタボリック・シンドロームはリスクとして感じにくいということがあるからなのでしょうか。

通常は1年に1回しかお顔を拝見できませんから、ドック当日の私の指導の責任と考え、もってわかりやすくかつ実行できやすいお話をさせていただく努力を重ねてゆきたいと思っています。

2009年12月22日 (火)

400万円で買った病気の体

読売新聞12月11日の記事で70歳男性の活動が紹介されました。現在喫煙による慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)のため、17年前から鼻に装着したチューブで酸素吸入しながら生活している彼は、自分のような患者を減らすべく体験談を通じて喫煙の怖さを訴える講演をしています。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=18188 (2009年12月11日 読売新聞)

喫煙の問題の一つは身体への悪影響が極めてゆっくりと進んでゆくことです。せき、たん等の呼吸器症状は若干出ますが気にされない方のほうが多いでしょう。30年、40年の長いスパンで初めて正体を現しますから危機感を抱きにくいと言えます。 この男性の場合、18歳の時に10本入りで1箱40円のたばこを吸い始め、45年間の喫煙で費やした金を大まかに計算してみると400万円を超えたことに気づき、タイトルがー400万円で買った病気の体ーとなったわけです。
たばこ税について、鳩山由紀夫首相が政府税制調査会への諮問で「健康目的課税」への転換を指示、1箱300円(20本入り)の主力製品の価格は400円に値上げされることになりそうです。たばこ増税への風あたりが強い中、結構頑張った数字と思いました。ただ、禁煙外来を通じて禁煙の難しさを知る私としては、この値上げでは増税効果はあるにせよ、喫煙率の減少には結びつかないと予測しています。

実際に喫煙には以下の余分な出費が伴います。
・喫煙者では生命保険料が増額されることが増えてくる
・COPDの治療の酸素療法は月額8万円弱の医療費が掛かる(自己負担はその3割まで)

これ以外にも喫煙による疾患による治療費が掛かります。循環器・呼吸器の疾患の誘因となり、メタボリック・シンドローム発症を促進し、小児ぜんそくやアトピー性皮膚炎を悪化させ、発がんの原因となります。歯周病、歯槽膿漏の発症が増えて治りにくくなります。結果的に、治療によって医療費がかさんでくることになります。

この男性のように一旦酸素療法を始めれば一生続けなくてはならなくなります。携帯用のボンベは2時間程しかもちませんから行動は制限されます。

11月に藤田まことさんがCOPDの悪化により番組を降板されました。9月には桂歌丸さんが肺気腫(COPD)からの気管支炎により入院されました。お二人ともにヘビースモーカーでした。

禁煙をされるなら早いほどいいのは明らかです。タバコによる病気の多くはは後戻りできない不可逆的なものなのです。

この際、値上げを機に禁煙して、浮いたお金を貯金してみてはどうでしょう。

健康という大きな利息も付いてきますよね。

2009年12月19日 (土)

やせていれば大丈夫?

肥満によるがん発生リスクの増加は、男性の大腸がん、腎がん、閉経後の乳がん、子宮体がん、肝臓がんなどで証明されています。肥満はメタボリック・シンドロームの最大の原因でもあります。まさに肥満は万病の元ですね。

そうすると、肥満がなければ、あるいは痩せているほど健康でいられるのでしょうか。

実際に、現代のように飽食、運動不足がまん延している状態では痩せている方が病気のリスクは減る傾向があるのは確かです。しかし、やせすぎによって栄養不足を来せば免疫力が弱まり感染症を引き起こしたり、血管の壁をもろくして脳出血を起こしやすくしたりすることも考えられます。一般には悪者と考えられているコレステロールも少なすぎれば血管はもろくなるのです。

最近の調査ではBMIが男性は23~27,女性は19~25の方が長生きする傾向でした。それ以上太っていても、やせていても、死亡リスクが高くなるということが分かっています。ご自身のBMIを確認してみてください。

何事も過ぎたるは・・・ということでしょうか。

2009年12月 2日 (水)

タバコ1箱が52円!

クリニックの人間ドックには海外からの受診者がたくさんいらっしゃいます

先日、日本でしばらく働いていたという中国人の方が受診されました。

たばこの値段の話が出て驚かされました。1箱130円(10元)で買えると言うのです。しかもそれは高級品で普通はもっと安い52円(4元)とのことでした。

先進国のタバコは前回にご紹介したように700円から1000円前後です。日本、中国、韓国はそれに比べるとタバコは安いのです。

タバコの高い欧米と違うのはたばこ税が安いことですが、これは政府や国民のたばこに対する意識の表れでしょう。物価や税徴収の構造は各国に差がありますが、たばこ税を高くする主な目的は健康のためです。

日本では、たばこの値上げの話が持ち出されると、必ずまずたばこ小売業やたばこ葉生産者への負担、景気への影響が取りざたされます。残念ながら健康への影響はー意図的かどうかは分かりませんがーあまり議論の俎上に乗りません。

日本では2008年に肺がんで7万人の方が命を落とされました。そして、肺がん発症の80%はたばこが原因とされています。

いつになったら日本人の意識は変わってゆくのでしょうか。

腹囲と内臓脂肪は比例しないことがあるんです

実は、腹囲が基準を超えていても内臓脂肪が少ない方が意外にたくさんいらっしゃいます。これはどういうことなのかを説明いたします。

当院の人間ドックでは内臓脂肪をCT正確に測定します。皮下脂肪、筋肉量、内臓脂肪を画像で識別し面積を算出できます。

しばしば見られるのは、腹囲が大きくても皮下脂肪優位に蓄積するタイプの方は内臓脂肪は多くないという現象です。特定検診で腹囲を減らしなさいと言われていて当院の人間ドックでは内臓脂肪量が問題ないということがよくあるのです。

女性では内臓脂肪よりも皮下脂肪がメインに付いてしまう方が多い傾向です。ですから女性の方が男性より腹囲の上限が5cm上回ってもいいということになったのです。

男性において、皮下脂肪は炭水化物の摂取の多い方で増加しやすいようです。炭水化物の代表は米、小麦、砂糖の3つです。このような男性は腹囲が大きくなりますからメタボに注意してくださいということになります。ですが、内臓脂肪は少ないので問題はあまりありません。

実際、皮下脂肪優位で腹囲が多い男性においては生活習慣病は少ないことを実感しています。

腹囲は大きいが検査では異常がないという方は、皮下脂肪優位型の可能性が高いとお考えください。

メタボでなければ大丈夫ーとはいえません

メタボリック・シンドロームに該当するのは以下の条件が必要です。ご存知とは思いますが確認させていただきます。

1、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上

2、高血圧症、糖尿病、脂質異常症のうち2項目以上に該当すること

1と2の条件を同時に満たす場合をメタボリック・シンドロームと呼びます。

ここで落とし穴があるのですが、条件2の3つの生活習慣病を発症していても腹囲が基準以内であればメタボリック・シンドロームにはならないことになります。極端なことを言えば重症の糖尿病と高血圧に罹っていても、腹囲が少なければメタボリック・シンドロームとは呼ばれないわけです。

それではなぜ腹囲が問題となるかというと、今後これらの疾患が新たに発症したり悪化する目安となるからです。つまり、現時点ですぐ問題となるのではなくて将来の健康状態の指標となるということです。

以上のことから言えることは、メタボリック・シンドロームに該当するかどうかはもちろん大事ですが、該当しなくても腹囲が基準を超えていたり3つの生活習慣病のいずれかを発症していたら食事療法、運動療法で改善を目指す努力をしていただきたいというになります。

言葉の定義というものは難しいですね。