子宮頚がん予防ワクチン ー5万円は高いか安いか
日本でもようやく子宮頚がん予防ワクチンであるサービックスが承認され、2月から受けることができるようになりました。ある意味画期的なことなのですが、実際にはどう私たちに関わってくるのでしょうか。
まず子宮頚がんの基礎知識をお示しします。
・世界では年間約50万人が子宮頸がんを発症し、約27万人がこの病気で死亡していると推計されている。日本では、年間約15,000人が子宮頸がんを発症し、約3,500人が死亡している。
・20代後半から発症率が上昇し始め、30代に一つの大きなピークがある。近年は若年化の傾向にあり、20代、30代の女性に発症するがんの中では、子宮頸がん(上皮内がんを含む)の発症率が最も高い。
(情報提供:グラクソ・スミスクライン株式会社)
・一生の間にすべての女性が一度は感染し、多くは免疫によってウィルスは消失する。子宮がんの原因となるハイリスクのものは16型と18型で7割近くを占める。今回認可を受けたワクチンはこの2つに作用しほぼ100%がん発症を予防する。3割のウィルスについては予防できないのでワクチンを接種しても定期的な検診は必要である。
・早期の子宮頚がんなら一部の切除で治癒できる。進行すると子宮を摘出することもある。20代からの発症も多いため、場合によっては治療が出産前に不妊の原因となり予防は重要と考えられる。
・女性全般に有効だが性体験前の若い段階(11から12歳)で接種するのが最も効果的。
・オーストラリアでは12から26歳まで完全に無料。アメリカでは州により公的、民間保険で負担されている。フランスでは14歳女子を対象に医療保険で負担。
・日本では必要な3回の接種で5万円前後の費用が掛かり、現在公的にどこまで負担するかを検討している。
・広い意味ではパピローマウィルスは性感染症といえる。高校3年生の40%が性交渉経験があるにもかかわらず、日本の16から26歳女性の75%は子宮頚がん、パピローマウィルスの存在を知らない。啓もう活動の普及は急務といえる。
他に感染症ががんの原因になるのは、B型、C型肝炎ウィルスによる肝がん、ヘリコバクター・ピロリによる胃がんですが、それぞれワクチン、インターフェロン、除菌などによってがん発症を予防できるようになりました。
日本はすべてのワクチンに対して導入は慎重です。副作用による不幸な事故が何件かあり、認可する厚生省の安全管理が厳しく問われてきたためです。しかし一方では、交通網の発達によって感染症が国際レベルで急速にまん延するようになって、今回の新型インフルエンザのワクチンのように速やかな対処が求められてもいるのです。
以前より、ほとんどの先進国では自己負担なくワクチンを受ける環境が整っていました。日本は不景気で財源の無い状況ではありますが、速やかな啓もうとワクチンの公的支援を求めていきたいものです。
子宮頚がんは予防も早期診断も可能ながんであるという認識が普及し、検診やワクチンへの関心が高まることがまず必要かもしれませんね。



